【事例紹介】日立産業制御ソリューションズのETロボコン活動(株式会社日立産業制御ソリューションズ 神田 誠 氏)

日立産業制御ソリューションズは、ETロボコンが始まった当時から参加しています。
当時、オブジェクト指向によるソフトウェア開発が広まってきた感もあり社内での適用を考えていたこと、新入社員教育において要件定義・設計・実装・テストを同じ題材で一貫した開発プロジェクトを経験できるようなものが必要と考えていたことから、新人教育や若手技術者の教育の一環として活用するに至りました。
これからETロボコンへの参加を考えている方々への参考として、当社がどのように取り組んでいるかを4つのポイントで紹介いたします。

1つめは、実務との両立です。ETロボコンもひとつの実務と位置づけ、実務と同様にプロジェクトマネジメントを行っています。設定した時間内(週6時間を目安)でスケジュール管理やチームメンバーの作業分担を行い、遅れや課題解決もチーム主体で解決します。ETロボコン作業をマネジメントすることにより本来の実務へ影響がでないようにしています。
2つめは、参加者のモチベーション維持・向上です。約半年ほど続くETロボコン活動をよりよいものにするため重要です。公式イベントの技術教育や試走会への参加、社内模擬戦や発表会の場を設ける、日立グループ内での合同イベントなど他チームと交流することでモチベーションの維持・向上につなげています。
3つめは職場の理解と協力です。職場の同僚や上司、経営層も一緒になって取り組む一体感が必要です。社内報や社内イントラサイトでの紹介、同僚や部課長にモデルをレビューしてもらう、大会での応援には経営層にも参加してもらう、社内表彰を行うなど会社全体で取り組んでいます。
4つめは実務への適用推進です。ETロボコン参加者が習得した技術を発揮できるように、モデルによる開発を社内に浸透させることが重要です。ETロボコン参加者以外へのUML・モデリング教育実施や開発プロジェクトへの適用支援などの活動を行っています。

近年、ソフトウェア開発は大規模・複雑化しており、またソフトウェアだけではなく様々な分野やテクノロジーをまたいだ開発が増えてきています。当社でもそのような開発に対応できる技術者の育成に取り組んでいます。そのなかで身に着けるべき技術のひとつとして、システム全体・内外を俯瞰的・横断的にとらえることのできるモデリング手法は重要と考えています。
当初のETロボコン参加者は、現在はリーダーやマネージャーとして第一線で活躍しています。今後もETロボコンを技術者の育成に有効な場であると考え、引き続き取り組んでいきます。

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